ファッション誌の連載や、数々の化粧品メーカーのコピーライティングを手がけるビューティライターのAYANAさん。20代でアーティストブランドでの商品開発などを経験し、30代でオーガニックコスメの開発やブランディングに携わるなど、さまざまな角度で化粧品を見てきた彼女に、美しさを引き出すためのスキンケアとの向き合い方と、アイテムの選び方についてお話を伺いました。
「これでいいか」でなく「これが好き!」で選ぶ
——AYANAさんは、「スキンケア」ってどういうものだと考えていますか?
スキンケアには、自分をベターな状態にするというか、チューニングするような働きがあると思います。お肌の調子には、どんなものを食べているか、睡眠が取れているか、ストレス環境に置かれていないか、などのライフスタイルも大いに関係しています。スキンケアが肌のすべてを決めるわけではないけれど、確実に影響するものです。いいスキンケアの仕方は、肌だけでなく心にもいい変化をもたらしてくれると思うんですよ。
——いいスキンケアの仕方というと?
楽しい気持ちでスキンケアすること。お気に入りのアイテムを使っている充足感や高揚感って、間違いなく肌に影響してくると思うんですよ。たとえば、高価なものをもったいないからってちびちび使ったり、心のゆとりが全くない状態で義務感からスキンケアしたりするよりは、「今日も1日よく頑張った!」って自分を労って、気兼ねなく使えるものを惜しみなくバシャバシャ使うほうが、肌にはいいと思います。
——スキンケアアイテムを選ぶときに、AYANAさんが重要視しているのは、どんな点ですか?
目的を明確にすることですね。保湿したいとか、ハリを出したいとか。あとは、肌に刺激とならないか、テクスチャーは心地いいか、などを総合的に見て選んでいます。人それぞれ、置かれている環境・年齢・肌質・ライフスタイルはちがうので、最適解も人によって様々です。自分にフィットするものに出会うヒントは、「これが好き!」という素直な気持ちや、自分の肌がどうなったらうれしいかという願いにあったりするんです。
——まずは、自分の好みを理解することと、ニーズを知ることが大事っていうことですね。
自分の心がよろこぶものを知ったり、自分の肌の抱える問題は何か探ってみたり。そうすると、自然と必要なものって見えてくるんです。私の場合は、香りもスキンケアアイテムを選ぶポイントのひとつなんですけど、疲れているときにローズマリーの香りで気持ちが浄化されたとか、そういう経験がヒントになったりします。「好き」に対して妥協しないのも大事なポイント。「これでいいか」って選んでいると、肌も「これでいいか」になってきちゃう。
——なるほど。肌の変化や問題を見過ごさずに、ちゃんと向き合って選ぼうとする。その行為が、肌を大切に考えることですものね。今回の〈プレスキンケア美容液〉はいかがでしたか?
印象的だったのは、肌にのせた時の安心感。現代の女性の肌悩みに合わせた機能性も感じましたし、寄り添ってくれるようなやさしさも感じました。使う人のことや成分のことを緻密に考えて作られたものだからか、使っていてすごく「大事にされている」という感覚がありましたね。
——そのご感想は、ブランドとしてとてもうれしいです。安心して使っていただきたいという点にこだわって開発した商品ですから。
肌の調子をじっくり観察しながら、判断は総合的に
——AYANAさんは、お仕事柄、いろいろなスキンケアアイテムを使っていると思いますが、日常的にアイテムやブランドの使い分けをしていますか?
まず先入観なく色々なブランドの色々な製品を試します。それから自分の「推しメン」を残していくふるいにかけるんです。化粧水、美容液と、アイテムごとに5種類くらいがレギュラーメンバーになりますかね。その中には、肌が敏感に傾いてもこれなら大丈夫、そんな安心感あるアイテムが必ずありますね。
——スキンケアは、季節や肌の状態で使い分けたほうがいいのでしょうか?
もちろんそうですね。毎日、肌を観察する癖をつけておくと、少しずつ解像度があがってきて、今日は敏感だなとか、乾燥するなとか、微妙な変化がわかってくる。そうすると、乾燥しているから夜はバームを塗って寝ようとか、そのときの肌に必要なスキンケアがわかるようになってくるんです。
ただ、肌を観察するときは俯瞰の目を持つようにするといいです。たとえば、スポットで毛穴が気になるとしてもそこだけ見ない。全体的な肌印象をきちんと見るといいですね。
加齢とともに、美への気持ちと定義をアップデートする
——AYANAさんが思う、美しい肌ってどういう肌ですか?
うるおいに満ちた肌ですね。うるおいがあれば、9割のトラブルは回避できると思っています。そう気づいたのは、30代に入ってからで、20代の頃はそこまでうるおいの重要性に気づいていなかったんですけどね。私は、もともと肌が弱くて、20代の頃はニキビや毛穴に悩んでいたんですけど、その頃は、表面化したところでしか悩みを捉えていなくて。今でこそ、うるおいって本当に大事なことだって思っています。
——エクラヴィアも、美しい肌の鍵は、うるおいにあると考えています。うるおいが、結果的に、肌のハリ、輝きや美白にも繋がってきますよね。また、エクラヴィアでは年齢を重ねてもうるおいに満ちた肌を取り戻せる、ということを目指しているのですが、AYANAさんは、加齢による肌の変化について感じていることはありますか?
忘れもしない30歳の時、ある日鏡を見て「これが、もしかしてたるみ!?」と思ったことがありました。毎日鏡は見ていたはずなのに、その気づきはあまりにも突然で、それはそれは、びっくりしましたね。
加齢による肌の衰えって、誰しもに起こることです。免れることは難しい。でも、加齢するほど肌が衰えるかというとそれも一概には言えなくて、夏から冬という時間軸の中で、夏の後に来た冬のほうが肌の調子がいい、みたいなことは起こりうるんですよね。だから、加齢を衰えへのデスロードみたいに直線で捉えないで、いつも新鮮な目で自分の肌を観察するのが大切だと思います。
シミやシワも、抗おうとすると人生がきつくなります。毎朝、鏡見てため息をつくようだと、それだけ老けてしまう気が(笑)。
どんな年齢でもありのままの自分を好きになってあげながら、自分の考える美しさの定義を、日々アップデートできるといいですよね!
——最後に、AYANAさんが、スキンケアを大事にする理由を教えていただけますか?
楽しいから!かな(笑)。単純に気持ちいいし、肌の変化も感じられるし、スキンケアをしているといろいろな発見があります。
自分の顔をよく見るって、あらためて大切なことだなぁと思います。人って、憧れにばかり焦点が当たると、実は自分を見ていない、なんてこともありますよね。特に若い時は、そうなりやすいのではないでしょうか。私も、憧れの人と自分との違いにため息をつくばかりの20代でしたから。でも、理想と離れていることに悲しんだり羨んだりしているだけでは何も変わらないんですよね。今の自分をちゃんと見て、自分の「好き」を見つけて、スキンケアを楽しむこと。その前向きな一歩一歩が、美しくあることに近づけてくれるのだと思います。
ビューティライター AYANA|アヤナ
化粧品メーカーでの企画開発職を経験後、独立。美のために生み出されたモノや美に携わる人々について、言語化するのが主な仕事。女性たちが自分自身や世界を美しく捉えなおす、そのきっかけづくりをお手伝いしている。