芸能界とファッション、どちらも好きなことに変わりないから

日本全国知らない人はいないと言っても過言ではない「AKBグループ」の、名古屋を拠点とする「SKE48」のメンバーとして活動していた平松可奈子さん。2013年に卒業後、タレントとして活動を続けながら、ファッションブランドや商品のプロデュース業で活躍の場を広げました。平松さんがプロデュースを手がけるようになったのは、自身のSNSでの発信がきっかけ。
「アイドルを卒業した時、『なりたい自分』になってそれをSNSで発信していく決意をしたんです。そうやってSNSで自分の好きな世界観を発信していくうちに、雑誌などで声をかけていただけるようになったんです」
自分で決めたやり方が評価され、芸能界の仕事に並行して全く新しい仕事を手がけることになったわけですが、不安や迷いはなかったと言います。それは、平松さんにとって、どちらも好きなことであり、望んで手に入れた新しい挑戦だから。
「ものを作ったり演出したりするのが大好きだし、デザインも得意だと思っています。一方で、お芝居は自分以外の誰かになれるお仕事でたくさんの出会いがあり、とことんのめりこめるこめるほどに魅力を感じています。そのどちらも自分の好きなことに変わりはないので、どんなに忙しくても苦に感じることはないです。ただやっぱりふたつのことをやっていくためには、早朝と深夜、あるいは貴重なお休みなどの時間を割いてファッションの仕事に当てたりしなくてはならず、時間は足りないですね」
芸能界とファッションの仕事の両立の大変さは、想像するに難くありません。そんな多忙な中でも、リラックスしたり気分転換したりできることこそが、自分らしく輝くコツ。平松さんの場合のそれはなんでしょうか?
「出かけるときにお気に入りの香りを身につけて気分を上げたりもしますし、あとはどんなに忙しくても、大好きな人たちと会ったり話したりする時間を大切にしています。そういう気を許せる人たちとの時間は心地よいしパワーをくれます。それに、私はSNSがあって今があるので、SNSを通じたファンの方とのコミュニケーションも大切にしていて、そこから元気をいただいています」

一人にならないと、自分と本当の意味で向き合うことはできない

家族や友人、そしてファンとシェアする時間を大切にしながらも、平松さんがもう一つ大切にしている時間が、自分だけの時間です。
「自分の家が好き。自分だけの空間だから自分の好きな世界観にできますよね。そんな我が家で、海外ドラマや映画を見るのが楽しみ。最近は『ストレンジャーシングス』『ゲーム・オブ・スローンズ』にはまってます! あと、フランス映画を見る時にはやっぱり登場人物のファッションや色使いに注目して観ることが多いですね。あとセリフ。英語でかわいいセリフを探したりもします」

気心の知れた人たちと過ごす時間が元気をくれたり、気分転換をしてくれるのに対して、自分一人だけの時間は、いわば自分を取り戻すために必要な時間。平松さんが前に進むために必要な時間なのです。

「一人にならないと、自分と本当の意味で向き合うことはできないと思っていて。誰にでも辛い夜やさみしい夜があると思いますが、それをちゃんと一人で乗り越えられる人が強い人だと思います。自分もそういう風にありたいと思っています……一人の時間に目標や夢を綴った手帳と向き合うのが、私のやり方ですね」

選択しながら自分らしさをみつけていくこと

好きなことや好きなものを見つけて自分の世界観を作り、それをキャリアに結びつけた平松さん。自分の人生で最も大切にしていることは、「自分の選択」だと言います。
「すべてのことが自分自身の選択の積み重ねだと思っているので、一度しかない人生をどうしたら良いものにできるのか考えて選択しています。興味のあるものや好きなものを選らんでとことんこだわり、その中で自分らしい表現の仕方をつかんでいく。自分の世界観とか自分らしさは、そういう積み重ねで得られるのだと思っています」
という彼女の一番最近の「選択」は、「アイドルユニットのセンターとして活動する」ということ。10月にある舞台の役柄に関連して、物語の中のアイドルユニットが実際に活動するというプロジェクトが始動しているのです。
「期間限定ではありますが、またアイドルとして再デビューすることをすごく悩みました。でもやってみて、またチャレンジしてよかったと心から思えたんです。48時代に叶えられなかった夢を、他のお仕事の積み重ねを通して叶えられるのは、とても素敵だと思いました」
今、27歳。これまでのところ、自分がしてきた選択は何点?
「100点です! すべてあのタイミングで良かったと思えるし、それで今に繋がっているのを実感できるから」

タレント業とプロデュース業で多忙な日々を送りながらも、自分で「こうしよう」と決めたことを実現している平松さん。ひとつひとつステップアップしながら、透明感あふれるキュートさにますます磨きをかける彼女に、最後にこれからの目標を伺いました。「これからは、仕事をバリバリとこなすかっこいい女性が目標。あとは、自分に嘘のない幸せな環境で日々を過ごしていきたいですね」

(写真/古谷利幸)

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