ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

さまざまな広告や雑誌の表紙を手がけるヘアメークアップアーティストの青山理恵さん。ナチュラルな美肌メークはもちろん、その明るい笑顔も、女優さんやモデルさんたちに人気の理由のひとつ。「ヘアメークをした人がハッピーになって、自分に自信を持てるように」という信念で仕事をしているという青山さんと、美しい人の条件や美習慣についてお話を伺いました。

すっぴんの方が若々しく見えるから、素肌感を活かして

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

ーー女優さんでもモデルさんでも、青山さんのヘアメークは、その人らしい輝きを引き出しているのが魅力です。メークをするときに心がけていることってなんですか?

ナチュラルメークでもキレイに見えるためのベース作りです。その人の〝素肌感〟を生かすことを心がけています。

ーー具体的にはどんなことをしているんですか?

撮影は、朝から始まることが多いので、まだ血液の巡りも良くないし、肌がかたい状態なんです。なので、とにかく肌をやわらかくすることが大事。スチーマーをあてて、パックをしたりクリームを使ってマッサージをしたりします。

ーーその人の素肌を整えることが、大事なんですね。

そうですね。肌そのものがやわらかくないと、ナチュラルなツヤ感が出ないし、ファンデーションものらないんです。ファンデーションって塗れば塗るほど老けて見えるから、なるべく密着させて、薄づきに仕上げたいんです。

ーーでもシミとか肌荒れとか、隠したい気持ちでついついファンデーションを重ねてしまいます……。

気になる部分はコンシーラーを塗って馴染ませたり、チークをポンと乗せれば大丈夫。ファンデーションを重ねると厚塗りになるだけです。素肌感を生かした方が、ぜったいに若々しく見えると思いますよ!

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

自分らしく生きている人は、輝いていて美しい

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

ーー日頃、女優さんやモデルさんという美しい女性たちに接している青山さんの考える「美しい人」の条件って、なんだと思いますか?

やっぱり、肌がきれいなこと。色白ということではなくて、透明感のあるつや肌であることが一番だと思います。

ーーそういう肌って、どうやって作られるものなんでしょう?

高級化粧品を使っているとかエステに定期的に行くとか、そういうことではないと思うんです。自分自身が年齢を重ねて分かるようになったのですが、肌って、その人の生き方やライフスタイルが表れるものなんですよね。精神的にストレスを抱えていれば、肌の状態は良くないし、ジャンクフードばかり食べていれば、必ず肌に出ます。

吹き出物に悩んで美容皮膚科に通っているんだけど治らない……という子のよく話を聞いてみると、生活習慣が乱れていたりします。それって病院では治らないものです。

ーー逆にいうと、美しい人は、ライフスタイルも整っている、ということ?

そうですね、年齢を問わず、好きなことをしていて、生き生きと人生を楽しんでいる人が多いように思います。あと、そういう方は、美意識が高い。

ーー美意識が高い……とは?

たとえば、好奇心が旺盛で、新しいことに挑戦するような気持ちを持っていること。あと、早寝早起きを心がけるとか、家に帰ったらまずメイクをきちんと落とすとか、基本のお手入れを丁寧にするとか、当たり前のことをきちんとしていることです。

ーーそういう基本的な日々の積み重ねが、肌に表れる、ということなんですね。

そう思います。化粧品はそれをサポートするものなのかな、と。

化粧品って本当にいろいろありますが、価格やブランドにこだわらず、自分が使って満足感を得られる化粧品、自分にあった化粧品を見つけられることが大事なんじゃないでしょうか。

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

美習慣は無理せず自分の心地よいペースで続ける

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

ーー青山さん自身もお肌がツヤツヤですよね!どんなケアをしていますか?心がけていることってなんですか?

肌も髪もうるおいが大事なので、部屋を乾燥させないように気をつけています。自宅で加湿器を使っているのはもちろんですが、海外でホテルに泊まるときも、湯船にお湯を張ってバスルームのドアを開け、室内の湿度を上げるようにしているんです。撮影の時は部屋でメークをするので、モデルさんが来る前に部屋をそういう風に整えておくんですが、入ってくるなり「この部屋すごい湿気!」と言われたことも(笑)。
あと、毎朝お風呂に入ってしっかり体を温め汗をかいて、血行を良くするように心がけています。

ーー毎朝?

そう、1~2時間。

ーーえっ、そんなに長い時間!?

もう10年くらい続けている習慣なんです。すっきりと目が覚めるし、湯船に浸かりながらパックをしたりお肌のケアもできるし、スマホを持って行って仕事のリサーチをしたりもできるし、お風呂で充実した時間を過ごしてます!
風邪も引きにくくなりましたし、肌の調子がいいのも、そのおかげかもしれませんね。

ーー魅力的だけど、うーん、なかなか真似できないかも……(笑)。

そうですよね(笑)。
生活習慣って、人それぞれの心地よいやりかたとか、ペースがあるので、無理したりやりすぎたりは禁物。食べる物を決めたり、運動をすることをルールにしたり、「こうしなきゃいけない」と、自分が決めたことにこだわっている人がいますが、やりすぎるとストレスになって逆効果だと思うんです。特に若い時って、そういうふうにがんばり過ぎてしまいがち。だんだん年齢を重ねていくと「まあいっか」って、力を抜けるようになってきますよね。

コンプレックスにフタをしないで

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん
ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

ーーエクラヴィアでも、「ファッションやメークを幾重にも重ねてがんばっている女性が、それを全部脱ぎ捨てて、ありのままの自分に自信を持ってもらえるように」というブランドメッセージがあるんです。

わかります。
やっぱり、肌にコンプレックスのある人は、メークで隠そうとして厚塗りになりがちなんです。ファンデーションでフタをしても、根本的な解決にはなりませんよね。自分と向き合って生活習慣を見直して、お手入れ方法を改善した方がいい。そういうことに気づいて変われれば、前向きになれるし、そのままの自分を好きになれると思うんですよね。

ーーメークをしている時にも、そういうアドバイスをしますか?

しますね。私は、自分がメークをした人が、ハッピーになってほしいと思っているんです。メークをしたあと自信を持ってカメラの前に立って、「どこから撮られても大丈夫!」って思えるように。だから、その人がどんなふうになりたいか、とか、どんなことを気にしている? といったことを知るようにしています。そしてその不安を解消したり、気持ちを明るくしたりしてあげられるように、メークしながらおしゃべりします。

ーーたとえばどんなおしゃべりを?

本人が気にしているコンプレックスがチャームポイントだったりもするので、たとえばソバカスを気にしている子がいたら「そのソバカスもかわいいじゃん! メークで活かしていい?」って話したりします。本人は「そうかなあ」って半信半疑だけど、きっと「あ、こういう自分もいいんだな」って、ポジティブな気持ちになってもらえると思うんですよね。
もちろん、具体的にお悩みを解決できるような、アイテムや病院をおすすめしたりもします。そういうのは全部、自分で試したもの。私自身、肌トラブルがあったので、いろいろ試してきました。その中で「いい」って実感したものを、「私はこれをやってみて改善したんだけど」っておすすめします。

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

ーー今回の〈プレスキンケア美容液〉は、どうでしたか?

美容液ってやっぱり化粧水の後に使うイメージが強いので、洗顔直後に使うって聞いて「ほんと?」って戸惑ったんですが、使ってみたらすっと肌に入っていく感じがして、すごく肌がやわらかくなりました。だから、特に朝のメーク前のスキンケアには本当にぴったりだと思いました。スチームとかマッサージとかする時間がなくても、これを使えば素肌力が上がって、いいベースができるんじゃないかな。これ1本加えることで時短になりますよね。

ーーなるほど。肌そのものが健康でうるおっていれば、ナチュラルにツヤ肌になるわけだから、メークも時間かからないですしね。

そうですね。肌そのものの輝きがやっぱり一番ですからね!

ヘアメークアップアーティスト 青山理恵

ヘアメークアップアーティスト・青山理恵さん

1980年生まれ。嶋田ちあきメイクアップアカデミー等を経て、ヘアメイクアップアーティスト村端ジン氏に師事。2年間のアシスタント期間を経て、独立。女優・片瀬那奈や北川景子、モデル・マギーなど、多くの女優、モデルから支持されている。